日本人はなぜ美白にこだわるのか
日本人女性の美しさの要素として、最も重要なものの一つに挙げられる「美白」。
ドラッグストアやデパートのコスメブースなどにはさまざまな美白商品が並べられ、エステサロンでも美白コースは大人気です。
90年代後半に大流行した肌を焼く「ガングロブーム」は鳴りを潜め、テレビ番組でもしばしば美白特集が組まれるなど、時代はもはや「美白ブーム」の真っただ中とも言えます。
美白になりたい女性が多いからこその美白ブームなのですが、そもそもなぜ、日本人女性は「美白」にそれほどまでこだわるのでしょうか?
今回は、日本人女性と美白についての関係性や美白ブームの背景について掘り下げてみましょう。
日本人女性は昔から美白に憧れていた!?
そもそも、現代の美白ブームの始まりは、2000年代前半。
それまで大流行していたガングロブームの終息とともに、美白を謳ったスキンケアラインが台頭。
鈴木その子さんや佐伯チズさんなど、美白をPRする美容家も現れました。
しかし、時代をもっと遡ってみると、なんと平安時代からおしろいは存在し、当時の女性たちも肌の白さで美しさを競っていたそうです。
また、江戸時代からの伝統である舞妓・芸子さんも白塗りのお化粧を施していますね。
このように、日本人は古くから美白への憧れが強かったことが分かります。
医学の発展が美白ブームへ
今やほとんどの女性が美白を目指すのが当然のような傾向がありますが、かつては小麦色に焼けた肌が好まれていたこともあります。
ガングロほどではありませんが、適度に日焼けした肌は、健康的で活発なイメージがありますよね。
ですが、近年の医学の発展や科学的な研究結果により、紫外線が美容と健康に大きなダメージを与えることが明らかとなり、徐々に「紫外線から肌を守る」という考え方が浸透してきました。
数々の医師や科学者などの専門家が、日焼けによるシミ、シワ、そばかす、さらには皮膚がんなどのリスクについて発表し、日に焼けない肌を推奨していることも、美白ブームを後押ししています。
つまり、紫外線対策は、将来のシミ・シワなどの予防も兼ねており、「美白=美肌」を目指すことでもあるのです。
白が持つイメージって?
皆さんは、「白」という色にどのようなイメージを持っていますか?
例えば、真っ白なシャツ、白い花束、純白のウェディングドレスなどを想像すると、「純粋さ」「上品さ」「初々しさ」「清潔感」などの言葉を思い浮かべる人が多いと思います。
このように、「白」は何にも染まらない純真さの象徴であり、身に着けている人にプラスの印象を与える色なのです。
同様に、色白の女性からは、その人の持つ純粋さや気品、清潔感などが感じられるのではないでしょうか?
また、肌が白いと、透明感やみずみずしさが強調され、瞳の色や唇、頬の血色がよく引き立ちます。
メイク映えも良くなるので、顔全体の色味がバランスよく整って見えるのです。
肌が白すぎると、少し病的で不健康な印象を持つかもしれませんが、はかなげで庇護欲をそそられるのも確か。
男性が色白の女性を好む傾向にあるのは、「か弱そうで守ってあげたい!」と思うからかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?
日本人が美白にこだわっているのは、現代だけではなく、はるか昔の日本人女性も白い肌に憧れていたのですね。
美白ブームには、時代背景や伝統、医学的根拠、そして白の持つ色のイメージなど、さまざまな背景があることが分かります。
改めて日本人女性の「美白へのこだわり」について考えてみると、理解が深まって面白いですね。